困っていることや悩んでいることを話しながら、気持ちや考えを整理したり、解決策を導き出したり、ストレス発散をしたりするための1つの方法です。

カウンセリングのもともとの意味は相談・援助です。

援助といえば、援助物資、経済援助などの言葉のように何かを与え、実際に手伝うことをイメージしますが、カウンセリングが目指す「心理的援助」では、何かを与えることも、実際に手を貸すこともしません。

心理的援助とは、相談者ご本人の見方や考え方が変容したり、あるいは自分の気持ちを確認したり、あらたな部分に気づいたりする中で自己決定ができるように、いわばこころの成長を支える方法です。
根底にあるのは、どんな問題でも本人の生き方や人格全体がかかわっており、しかも生き方やこころの問題には外側から教えることのできる正解はないという考え方です。
カウンセラーが選択肢を提示したり、提案をしたりすることはありますが、それを選ぶのは本人であり、選ぶ基準は本人の気持ちが納得いくかどうかです。
ある結論や考え方によって新たなエネルギーが生まれてくるかどうか、前に進める感じがするかどうかわかるのは本人だけです。
カウンセラーは本人が自分の気持ちを確かめることができるように、じっくり話を聴きます。
答えを教えてもらう場ではなく、自分で答えを発見する過程を体験的に学習する場だと言えます。

参考:フォーカシングで身につけるカウンセリングの基本,近田輝行著,星雲社