コラージュとは、フランス語で「糊による貼り付け」という意味があります。
雑誌や広告、新聞紙などから写真や絵などを切抜き、台紙に貼って1枚の作品を作ります。
このような極めて簡単な方法で自己表現が可能となり、その過程で癒される効果があります。
【コラージュ療法の起源】
近代美術の表現方法の1つとして現れました。
はじめは集団作業療法としてリハビリテーションなどに用いられていたのが、個人心理療法にも導入されたものがコラージュ療法です。
【コラージュ療法の効果】
コラージュを行うことの効果は様々挙げられます。
そのうち、実施していて感じる効果の一部を下記にご紹介させていただきます。
①ストレス発散。
②美意識の満足、達成感。
③一緒に作成することにより参加者間での親近感がわき、信頼関係を構築するのに役立つ。
④無意識的な自己に気づく。
最近、コラージュを繰り返し実施している中で、
自己の内面を自ら振り返るようになり、気づきにつながっていくということが
最も重要な効果の1つであると改めて実感しています。
【コラージュ療法の実施方法】
コラージュ療法はオープンアーキテクチャー(開かれた設計思想)です。基本的にはどのように行っていただいても構いません。台紙に色画用紙や不要となったカレンダーの裏面を使う、作品に書き込みをするなど自由です。
―代表的な実施方法―
●マガジンピクチャー・コラージュ法
コラージュの作り手が雑誌や広告などから直接切抜きを選ぶ方法です。
●コラージュボックス法
A4サイズ程度の切抜きをあらかじめ用意し、ハサミとのり、用紙などと一緒に箱の中に
入れておき、そこからコラージュを作成する方法です。
●相互法
参加者がそれぞれに作品を作るやり方です。ですから、参加者数分の作品ができます。
●合同法
誰かと一緒になって一枚の作品を作るやり方です。
●自宅作成法(宿題法)
コラージュを自宅で作成してきていただくやり方です。
●裏コラージュ
コラージュの制作過程で切り抜いたけれども貼り付ける際に使わなかった切抜きを裏に
貼って残しておくことをいいます。
【コラージュ療法の実施上の注意点】
①気持ちが乗らない場合は無理に作らないようにしてください。たとえ作り始め、途中でも
いつでもやめることができるように配慮して下さい。無理してやっても効果がないだけで
なく、心理的な不調に陥ることもあります。
②作品の上手い下手は重要ではないなど目的を教示で伝える。
参考文献:コラージュ療法―基礎的研究と実際 杉浦京子著
コラージュ療法 現代のエスプリ386 森谷寛之,杉浦京子編
コラージュ作品
制作者の了承を得て作品をご紹介させていただきました。
テーマ「ひとすじの光」 作成日2005年7月19日
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