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 来談者中心療法(Client-Centered Therapy)は、アメリカの心理学者カール・R・ロジャーズによって創始された、人間の成長と変容に対する、絶えず継続的に発展しつつあるアプローチです。

 この来談者中心療法は、カウンセリングにかかわる方でしたらどなたでも一度は学ぶ非常に有名で、わかりやすい理論です。カウンセリングの基本といっても過言ではありません。

基本的仮説

 来談者中心療法の根底には人間の持つ実現傾向への基本的信頼があります。

 実現傾向とは、自らが望む方向を知っていてその可能性を追求していこうとすること、いわゆる自己実現しようとする力です。

 人間にはもともとその実現傾向が備わっていると信じています。人間に限らず命のあるものには、すべてにこの実現傾向があります。ロジャースは、十分な光や水などがなくても、誰に教えられることなく芽を出す”ジャガイモの芽”を例に挙げたりしています。

 悩んだり、問題を抱えた人は、傷つき、不安な状態にあり、実現傾向が十分に発揮されていないだけであり、環境さえ整えば、再びその力は始動すると考えています。

 実現傾向が発揮されるための環境は次のような態度により提供されます。

基本的態度

1.真実である、もしくは自己一致した状態にあること。

  真実である、つまり嘘、偽りがなく正直であるということです。

  自己一致とは、自分はこういう人だという自分自身の捉え方(:自己概念)と自分が感じていること(:有機体的経験)が同じであるということです。自己概念は思い込みや理想があり、ありのままの自分との間にズレが生じていることもあります。

 例えば、カウンセラーの自分はクライエント対して腹は立てないと思っていても、カウンセラーも人間なので腹が立つことが当然あります。そうすると腹が立っていることが認められず、歪められたり、違った形で表現されて自分は怒っていないつもりでも相手は気づいていたり、誤解をうけたりということがあります。まずは、わき出てきた感情を一旦認めて、その感情をどう扱うか、この怒りは何によるものか、表現したいのか否か、表現すべきなのか否かなどその時の自分に正直に選べば、そこに偽りはありません。

 そのためには、自分の感情に敏感である必要があります。また、その感情の扱い方には当然リスクが伴います。その結果は、自らの選択の責任として引き受けていくことになります。

2.無条件の肯定的関心と全体的な受容を提供すること。

 相手がどのような人、どのようなことをしたなどということにかかわらず、どんな価値観で、どのように考え、感じているのだろうと関心を持ち、たとえ、どのようなことをしても、逆になにもできなくても、その人の存在そのものを評価することなく受け入れていきます。

 あくまでも相手の存在を受容し、行動を受容するのではありません。例えば、他人や自分を傷つける行動は決して承認できないけれど、そうせざるを得ないあなたはどんな風であったのか理解をしたいとかかわる姿勢です。

3.共感的理解を感じ、相手に伝えること。

 その人の感じ方や考え方ならこう感じるのではないかと相手になったつもりで感じ理解し、相手に伝え確認することです。

 自分が同じような経験をしたからとか、同じような立場だからわかるという、自分だったらというのは同感であり、少し違います。

 相手が感じているのとぴったり一緒ということは、別の存在である以上、不可能に近いと思います。相手の感じていることを正確に共感し理解するためには、わからない部分を謙虚にわかっている姿勢が大事だと思います。

 以上、受容、共感、自己一致。このような態度でカウンセラーがいることで悩んだり、問題を抱えた人は実現傾向を再び発揮するようになります。

 これは、クライエントとカウンセラーとの関係にとどまらず、親子、夫婦、友人、同僚など身近な人間関係にも同様です。このような態度で相手にかかわることで真の人間関係を築くことができます。ぜひ、身近な人間関係にお役立て下さい。


 
2006年04月10日  ↑ページトップへ