「横のつながり職場に回復を」

 心の病にかかる社員が増える傾向にあると考える企業が62%に上ることが、財団法人社会経済生産性本部のアンケートで分かった。職場でコミュニケーションが減ったとする企業では特に「心の病増加」が72%に達し、そうでない企業の46%に比べて26ポイントも高い。同本部は「職場での横のつながりを回復することが喫緊の課題」としている。

 四月に全国の上場企業2,150社を対象に実施した調査で、うち218社が回答した。

 最近三年間に心の病が「増加傾向」と回答したのは62%。「横ばい」が29%、「減少傾向」が2%。「増加傾向」は、前回調査(2004年)で58%、前々回(02年)で49%だった。年代別では「三十代が最も多い」としたのが61%でトップ。次いで四十代が19%だつた。心の病で一カ月以上休んでいる社員がいる企業は75%に上った。

 職場環境についての設問で「個人で仕事をする機会が増えた」に「そう思う」と答えたのは67%。同様に「職場でのコミュニケーションの機会が減った」は60%、「職場での助け合いが少なくなった」は49%だった。

 助け合いが減ったとする企業では、そうでない企業に比べ「心の病増加」が21ポイント高かった。「個人で仕事」の企業も同様に18ポイントの差がついた。

 同本部は「成果主義や(目標を設定して達成度を評価する)目標管理制度を導入する企業が増えたことも、こうした傾向と関係があるのでは」としている。

2006年8月12日「中日新聞」より